触角を水中カメラに触れて確かめる探るイセエビです。
太い第2触角は触覚、短い第1触角は匂いを感じるセンサーだと言われています。
ダイバーにあまり動きが無い場合、イセエビから寄って来て触角で探られることは珍しくありません。
概要
和名:イセエビ
英名:Japanese spiny lobster
学名:Panulirus japonicus (von Siebold, 1824)
- 撮影場所:静岡県伊東市
- 撮影時期:8月
- 主な水深:8m
- 映像特徴:第2触角で感触を確かめるイセエビ
提供映像(サンプル映像はYouTube版です)
- コーデック:H264-MPEG4AVC
- 解像度:1920x1080
- フレームレート:59.94
- 長さ:-----
- サイズ:-----
分類・分布
【分類】節足動物門 > 軟甲綱 > 十脚目 > イセエビ科 > イセエビ属 > イセエビ
【分布】茨城県以南、韓国、中国、台湾
特徴・雑学
感触を確かめる・イセエビの第2触角
イセエビを含む多くの甲殻類には2対の触角があります。 多くの人が「触角」としてイメージする太く長いものは第2触角で、海底を歩く際に周囲の岩や障害物に触れたり、敵や仲間との距離を測ったりする役割を担っています。 研究では、この触角には触覚を感じる受容器が数多く備わっており、イセエビにとって杖のような働きをすることが分かっています(1)。
一方、その付け根付近にある短い二股の触角は第1触角と呼ばれます。
こちらには化学物質や水流を感知するための感覚器が集中しており、水中に漂う餌のにおい、仲間が放出する化学的な情報、周囲の環境変化などを読み取っています。
イセエビが第1触角を細かく動かすのは、水を取り込みながら周囲の情報を集めているためです(2)。
長い第2触角が「触れて確かめるための器官」なら、短い第1触角は「水中の情報を探るための高性能センサー」といえるでしょう。
イセエビはこの2種類の触角を使い分けることで、暗い岩礁域でも効率よく行動しています。
暴れて折れてしまうが、再生することを祈る
食・利用
イセエビは日本を代表する高級食材の一つで、刺身や鬼殻焼き、味噌汁などで親しまれています。 身は甘みと弾力があり、加熱するとさらに旨味が増します。 頭部に詰まった濃厚な味噌も珍重され、祝い事や正月料理など特別な席で利用されることの多い食材です。
毒・危険性
人に対する毒性や危険性はありません。
鎧を着た武士に見えなくもない
孵化した稚エビは1年ほど浮遊生活をする
危険を感じるとバックキックで逃げてゆく
参考資料
- JAMSTEC BISMaL(分類情報)
▶ 見る - World Register of Marine Species(分類情報)
▶ 見る - 海の甲殻類・峯水亮著・文一総合出版
- 1)Responses from tactile receptors in the antenna of the spiny lobster Panulirus japonicus
(イセエビ Panulirus japonicus の触角に存在する触覚受容器の応答)
Kenro Tazaki, Masahiro Ohnishi
Comparative Biochemistry and Physiology Part A: Physiology, Vol.47A(4), pp.1323-1327(1974)
DOI: 10.1016/0300-9629(74)90106-6
▶ 見る - 2)The Crustacean Antennule: A Complex Organ Adapted for Lifelong Function in Diverse Environments and
Lifestyles
(甲殻類の第1触角:多様な環境と生活様式の中で生涯機能するよう適応した複雑な器官)
Charles D. Derby
The Biological Bulletin(2021)
※甲殻類全般の総説。イセエビ類を含む。
DOI: 10.1086/713537