ヒラメ

待ち伏せのハンター

Paralichthys olivaceus

海底に溶け込むように身を隠し、獲物を待ち伏せする魚として知られるヒラメですが、捕食の瞬間を目にする機会はほとんどありません。 本映像では、捕食直前に体を波打たせるような動きを見せた後、一気に頭上の群れへ飛びかかる様子を捉えています。

🔬 専門資料・出典引用(10件)

概要

和名:ヒラメ

英名:Japanese flounder,Olive flounder

学名:Paralichthys olivaceus (Temminck & Schlegel, 1846)

提供映像(サンプル映像は低画質版です)

分類・分布

【分類】脊椎動物亜門 > 条鰭綱 > カレイ目 > ヒラメ科 > ヒラメ属 > ヒラメ

【分布】千島列島から九州、シナ海。

特徴・雑学

ヒラメは日本沿岸の浅い砂泥底に生息する大型の肉食魚で、体は左右に平たく、両眼が体の片側(通常は左側)に寄っています。 一般的に海底に身をひそめて獲物を待ち伏せすることで知られていますが、遠くから高速で泳いで捕食する姿も観察されています。

待ち伏せせずに捕食行動するヒラメ ベラの産卵に突っ込んで泳いできて捕食するヒラメ

見えないほど遠くから接近している

海底に紛れる!ヒラメのカムフラージュ

有眼側の皮膚の色素胞は発達しており、周囲の環境に合わせて体色や模様を変化させることができます(1)。 これは、睡眠時や興奮時などの生理的な体色変化と同様に色素胞が制御される現象ですが、ヒラメでは海底の砂や岩、海藻などを目で見た情報をもとに、神経系や内分泌系が色素胞を制御することで、背景に合わせた体色変化を行います(2)。
周囲の明るさや模様に応じて色素胞が拡大・収縮することで、体色や模様はわずか数秒で変化し、海底の背景へ巧みに溶け込みます。

この優れたカムフラージュ能力は、獲物への待ち伏せや外敵から身を守ることに役立っています。 また、このような体色変化が見られるのは主に有眼側であり、海底に接する無眼側は白色のままで、ほとんど変化しません。

獲物を見極める!ヒラメの視覚能力

ヒラメの視覚については、近年になって研究が進みつつあります。 海底で獲物を待ち伏せする魚ですが、目の前に来た物だけが見えるわけではありません。
むしろ、浮遊生活をする稚魚期よりも、海底で伏せて生活する成魚の方が高い視力を持つことが知られています(3)。

ヒラメの、周囲の環境に合わせて体色を変化させる能力からも分かるように、彼らは色彩情報を認識しています。 近年の研究では、背景色によって餌への反応が変化することが示されており、ヒラメは色の違いを識別していると考えられています。
赤や黄色という色を人間と同じように認識しているかどうかは分かっていませんが、少なくとも色の違いを判別して捕食行動に利用していることは確かなようです。 特に背景とのコントラストが高い餌ほど反応が良く、視覚は待ち伏せ型捕食者であるヒラメにとって、重要な感覚の一つであることが明らかになっています(4)。

よく動くヒラメの目 ヒラメの目の動きをとらえた水中映像

頭上全体が見えていると思われ、どの角度からでも隙は無い

食・利用

ヒラメは日本を代表する高級魚のひとつで、古くから刺身や寿司種として親しまれてきました。 江戸時代の料理書『古今料理集』では、マダイを筆頭に、ヒラメやスズキが上魚として扱われており、現在では高級魚とされるマグロやブリは下魚に分類されています(5)。 魚の評価は時代とともに変化してきましたが、ヒラメは昔も今も高級魚として高く評価され続けています。

毒・危険性

人に対する毒性、危険性はありません。

ヒラメの擬態、泳ぐ様子 ヒラメの擬態や泳ぐ様子の水中映像。養殖や食文化、様々な地方名なども紹介。

養殖や地方名なども紹介

アオヤガラを丸飲みにする夜のヒラメ 夜の海底でアオヤガラを丸にするヒラメの水中映像。

獲物は吸い込まれるように飲み込まれてゆく

ヒラメの求愛行動 ヒラメの雄は、大きな雌の体に顎をのせるように寄り添い、背鰭を震わせるようにする

小さな雄が、大きな雌に寄り添って背ビレを震わせる

参考資料

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