昼間は全く見ることがないのに、夜になると現れる紅白の美しい魚です。 美しさとは裏腹に、鱗は驚くほど固く、鰓蓋には鋭い棘があります。
概要
和名:テリエビス
英名:Samurai squirrelfish
学名:Sargocentron ittodai (Jordan and Fowler, 1903)
- 撮影場所:静岡県伊東市
- 撮影時期:7月、12月
- 主な水深:6m
- 映像特徴:夜になると現れるテリエビスの姿
提供映像(サンプル映像は低画質版です)
- コーデック:H264-MPEG4AVC
- 解像度:1920x1080
- フレームレート:59.94
- 総ビットレート:59521kbps
- 長さ:0 分 27 秒
- サイズ:198MB
分類・分布
【分類】脊索動物門 > 条鰭綱 > キンメダイ目 > イットウダイ科 > イットウダイ属 > テリエビス
【分布】南日本、シナ海、東インド洋
特徴・雑学
テリエビスは、大きな眼と赤い体をもち、体側には鱗列に沿って赤色と白色の縞模様が並びます。 背鰭前方の黒い斑紋と、棘の先端や鰭膜に見られる白い模様が特徴です。
インド洋から太平洋にかけて広く分布し、日本では房総半島以南の岩礁域やサンゴ礁域で見られます。 生息水深は5~190mとされていますが、通常は5~70mほどの場所に生息します(1)。 昼間は岩穴や岩陰に潜み、夜になると活動して、海底にいるエビやカニなどの甲殻類を主に捕食します。
鰓蓋の棘には毒がある
テリエビスの体は、大きく硬い鱗によって鎧のように覆われています。
鰓蓋付近には、左右それぞれの主鰓蓋の後方に2本、前鰓蓋の下の縁に1本の鋭い棘があります。
このうち、イットウダイ亜科の特徴である前鰓蓋の棘は「刺すことで毒を注入する」棘で、捕食者から身を守るための構造と考えられています(1)。
毒の強さは「ヒリヒリが長く続く」ような比較的弱毒だとされますが、釣り上げた際や調理の際には鰓蓋の棘に刺されないように注意が必要です(2)。
イットウダイ亜科のアヤメエビスの棘
▲ 前鰓蓋の下の縁にある
夜にしか見られない美しい魚
テリエビスは夜行性の魚です。 昼間は岩礁やサンゴ礁の岩穴、張り出した岩の陰などに身を潜めており、見かけることはありません。 日が暮れると隠れ場所から泳ぎ出し、海底付近にいるエビやカニなどの甲殻類を探して捕食します。 映像は日没後間もない時間であるからか、警戒度の高い泳ぎをしています。
前鰓蓋の下にある大きな棘には毒があるので注意
食・利用
テリエビスは食用にできる魚で、美味しいとされますが(3)、まとまって漁獲されることが少ない上に大きさも小さいため、一般の鮮魚店に広く流通する魚ではありません。 産地などで漁獲物に混じったものが利用される程度で、食材としては地域的・嗜好的な位置づけです。 調理する際は、硬く大きな鱗に加え、鰓蓋付近の鋭い棘、特に毒があるとされる前鰓蓋骨棘に注意が必要です。
毒・危険性
イットウダイ亜科の特徴である前鰓蓋の下縁にある大きな棘は、刺すことで毒を注入する棘です(1)(2)。
カサゴ類よりも弱い毒であろうとされますが、釣り上げた際や調理の際に刺されないよう注意が必要です。
食用による毒性はありません。
背ビレ前方の黒斑、白い帯が無い
大きな目はキンメダイのように光る
海藻などを咥えて眠る
参考資料
- 日本産魚類全種リスト(分類情報)
▶ 見る - JAMSTEC BISMaL(分類情報)
▶ 見る - Catalogue of Life(分類情報)
▶ 見る - 学研の図鑑LIVE魚・学研・本村浩之総監修
- 原色魚類大図鑑・北隆館・阿部宗明監修
- 1)Sargocentron rubrum (Forsskål, 1775)
(アヤメエビス)
Rainer Froese and Daniel Pauly(編)
FishBase
DOI: なし
▶ 見る - 2)ホシエビス Sargocentron punctatissimum
高知大学理学部海洋生物学研究室
高知大学「今月の魚」(2003年8月)
DOI: なし
▶ 見る - 3)テリエビス
土佐料理 鰹
土佐料理 旬の鰹がゆく!(2025年)
DOI: なし
▶ 見る