イヤゴハタ

若魚の分断色

Epinephelus poecilonotus

イヤゴハタは普段見かけるハタではありません。映像のこの一回のみです。 市場にもあまり出回ることは無く、高級魚として扱われる様です。

🔬 専門資料・出典引用(12件)

概要

和名:イヤゴハタ

英名:Dot-dash grouper

学名:Epinephelus poecilonotus (Temminck and Schlegel, 1842)

提供映像(サンプル映像は低画質版です)

分類・分布

【分類】脊索動物門 > 条鰭綱 > スズキ目 > ハタ科 > アカハタ属 > イヤゴハタ

【分布】南日本、琉球列島、インド・太平洋域

特徴・雑学

イヤゴハタは、やや細長く側扁した体をもつハタ科の魚です。 全長は最大で約65cm、重量は4kgという記録(1)や、80mとする資料があります。

あまり資料の無いイヤゴハタ

イヤゴハタの資料はあまり多くありません。 インド洋から西太平洋に広く分布し、日本は分布域の北部にあたります。 主に岩礁やサンゴ礁に関連して暮らす深場の魚で、フィッシュベースでの生息水深はおよそ45~375m(1)、日本における釣りでの生息水深は20m~100m付近とされます。 ただし、若魚は成魚より浅い場所に現れることがあり、伊豆半島の沿岸でもまれに観察されます。

肉食性で、魚類や甲殻類を捕食します。 岩礁の陰などを利用し、近くを通る小魚やエビ、カニの仲間を狙う、ハタ類らしい待ち伏せ型の捕食者と考えられます。

鮮烈な縞で輪郭を消す「分断色」

イヤゴハタの若魚には、白色と黒褐色の太い帯模様が体側から背鰭にかけて連続しています。 これは体の輪郭をいくつかの部分に分け、魚全体の形を認識しにくくする「分断色」と考えられます。 岩礁域では、岩の陰や割れ目、砂地、海藻などによって、明暗の境界が複雑に入り交じります。 イヤゴハタの大きな斑紋と湾曲した帯模様は、そのような背景の中で体の外縁を分断し、捕食者から一匹の魚として発見されにくくする可能性があります。 背景の色や模様に完全に一致していなくても、強い明暗差によって輪郭を見失わせる効果があると考えられています。 成長するとこの模様は次第に薄くなりますが、泳力や反撃能力の弱い幼魚期から若魚期の防御を目的にしていると推察されます。 ただし、若魚期に模様が明瞭である理由について、イヤゴハタを対象に実証した研究はありません。 分断色としての働きは、他の動物の研究から推定されるものです(2)(3)(4)(5)。

イヤゴハタに模様が似るホウキハタ ホウキハタの水中映像

イヤゴハタ同様に高級魚

食・利用

イヤゴハタは食用になるハタ類ですが、水揚げ量が少なく、一般の鮮魚店で見かける機会はほとんどありません。 主に九州、四国、紀州などで水揚げされ、流通した場合は高級魚として扱われます(6)。 身は淡泊でありながら旨味とほのかな甘味がある白身で、刺身や炙り、塩焼き、唐揚げ、兜煮などに利用されます。 骨や頭からは濃厚な出汁が取れるため、鍋物や潮汁にも適しています。

毒・危険性

人に対する毒性や危険性はありません。

威嚇するクエ、オオモンハタ ハタ類が背ビレを立てて威嚇する様子

ダイバーでも威嚇される

獲物を捕らえたアカハタ アカハタの捕食シーン

捕食シーンに出会うのは意外と稀

参考資料

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