イヤゴハタは普段見かけるハタではありません。映像のこの一回のみです。 市場にもあまり出回ることは無く、高級魚として扱われる様です。
概要
和名:イヤゴハタ
英名:Dot-dash grouper
学名:Epinephelus poecilonotus (Temminck and Schlegel, 1842)
- 撮影場所:静岡県伊東市
- 撮影時期:6月
- 主な水深:25m
- 映像特徴:10㎝~15㎝ほどのイヤゴハタの若魚
提供映像(サンプル映像は低画質版です)
- コーデック:H264-MPEG4AVC
- 解像度:1920x1080
- フレームレート:59.94
- 総ビットレート:60424kbps
- 長さ:1分 30秒
- サイズ:648MB
分類・分布
【分類】脊索動物門 > 条鰭綱 > スズキ目 > ハタ科 > アカハタ属 > イヤゴハタ
【分布】南日本、琉球列島、インド・太平洋域
特徴・雑学
イヤゴハタは、やや細長く側扁した体をもつハタ科の魚です。 全長は最大で約65cm、重量は4kgという記録(1)や、80mとする資料があります。
あまり資料の無いイヤゴハタ
イヤゴハタの資料はあまり多くありません。 インド洋から西太平洋に広く分布し、日本は分布域の北部にあたります。 主に岩礁やサンゴ礁に関連して暮らす深場の魚で、フィッシュベースでの生息水深はおよそ45~375m(1)、日本における釣りでの生息水深は20m~100m付近とされます。 ただし、若魚は成魚より浅い場所に現れることがあり、伊豆半島の沿岸でもまれに観察されます。
肉食性で、魚類や甲殻類を捕食します。 岩礁の陰などを利用し、近くを通る小魚やエビ、カニの仲間を狙う、ハタ類らしい待ち伏せ型の捕食者と考えられます。
鮮烈な縞で輪郭を消す「分断色」
イヤゴハタの若魚には、白色と黒褐色の太い帯模様が体側から背鰭にかけて連続しています。 これは体の輪郭をいくつかの部分に分け、魚全体の形を認識しにくくする「分断色」と考えられます。 岩礁域では、岩の陰や割れ目、砂地、海藻などによって、明暗の境界が複雑に入り交じります。 イヤゴハタの大きな斑紋と湾曲した帯模様は、そのような背景の中で体の外縁を分断し、捕食者から一匹の魚として発見されにくくする可能性があります。 背景の色や模様に完全に一致していなくても、強い明暗差によって輪郭を見失わせる効果があると考えられています。 成長するとこの模様は次第に薄くなりますが、泳力や反撃能力の弱い幼魚期から若魚期の防御を目的にしていると推察されます。 ただし、若魚期に模様が明瞭である理由について、イヤゴハタを対象に実証した研究はありません。 分断色としての働きは、他の動物の研究から推定されるものです(2)(3)(4)(5)。
イヤゴハタ同様に高級魚
食・利用
イヤゴハタは食用になるハタ類ですが、水揚げ量が少なく、一般の鮮魚店で見かける機会はほとんどありません。 主に九州、四国、紀州などで水揚げされ、流通した場合は高級魚として扱われます(6)。 身は淡泊でありながら旨味とほのかな甘味がある白身で、刺身や炙り、塩焼き、唐揚げ、兜煮などに利用されます。 骨や頭からは濃厚な出汁が取れるため、鍋物や潮汁にも適しています。
毒・危険性
人に対する毒性や危険性はありません。
ダイバーでも威嚇される
捕食シーンに出会うのは意外と稀
参考資料
- 日本産魚類全種リスト(分類情報)
▶ 見る - JAMSTEC BISMaL(分類情報)
▶ 見る - Catalogue of Life(分類情報)
▶ 見る - 学研の図鑑LIVE魚・本村浩之総監修・学研
- 原色魚類大図鑑・阿部宗明監修・北隆館
- 海の魚大図鑑・石川皓章著、瀬能宏監修・日東書院
- 1)Epinephelus poecilonotus, Dot-dash grouper : fisheries
(イヤゴハタ:分布・形態・生態・水産利用)
Rainer Froese・Daniel Pauly(編)
FishBase(2026年、06/2026版)
DOI: なし
▶ 見る - 2)Disruptive coloration and background pattern matching
(攪乱色彩と背景模様への一致)
Innes C. Cuthill, Martin Stevens, Jenna Sheppard, Tracey Maddocks, C. Alejandro Párraga, Tom S.Troscianko
Nature 434, 72–74(2005年)
DOI: 10.1038/nature03312
▶ 見る - 3)Disruptive colouration in reef fish: does matching the background reduce predation risk?
(サンゴ礁魚類の分断色:背景との一致は捕食リスクを低減するのか?)
Genevieve A. C. Phillips, Martin J. How, Julia E. Lange, N. Justin Marshall, Karen L. Cheney
Journal of Experimental Biology 220, 1962–1974(2017年)
DOI: 10.1242/jeb.151480
▶ 見る - 4)Disruptive coloration and behavior facilitate camouflage of blue-spotted cornetfish against
complex coral reef bottoms
(分断色と行動が、複雑なサンゴ礁底におけるアオヤガラのカモフラージュを促進する)
María Alejandra Castillo, Jose Tavera
Marine Ecology 43, e12731(2022年)
DOI: 10.1111/maec.12731
▶ 見る - 5)Water column use by reef fishes of different color patterns
(体色パターンの異なるサンゴ礁魚類における水柱利用)
Luísa E. F. dos Anjos, Felipe M. Gawryszewski, Eduardo Bessa
Neotropical Ichthyology 20, e210101(2022年)
DOI: 10.1590/1982-0224-2021-0101
▶ 見る - 6)イヤゴハタ
八面六臂株式会社
八面六臂
DOI: なし
▶ 見る