デザイナーが描いたような美しい模様のホウキハタ。 伊豆半島の浅瀬では稀にしか見られません。 成長と共に深場へ移動してゆくようです。
概要
和名:ホウキハタ
英名:Comet grouper
学名:Epinephelus morrhua (Valenciennes,1833)
- 撮影場所:静岡県伊東市
- 撮影時期:6月
- 主な水深:25m
- 映像特徴:隈取のような美しい模様のホウキハタ
提供映像(サンプル映像はYouTube版です)
- コーデック:H264-MPEG4AVC
- 解像度:1920x1080
- フレームレート:59.94
- 長さ:------
- サイズ:------
分類・分布
【分類】脊索動物門 > 条鰭綱 > スズキ目 > ハタ科 > マハタ属 > ホウキハタ
【分布】南日本、琉球列島、伊豆諸島、小笠原諸島。インド・太平洋域
特徴・雑学
ホウキハタは、ハタ類らしい厚みのある体と大きな口をもち、淡い赤茶色の体に濃い褐色の帯が複雑に走ります。 眼の周囲から放射状に伸びる線は、歌舞伎の隈取のようでもあり、デザイナーが描いたような美しい姿をしています。
島や海山、大陸棚の斜面にある深い岩礁やサンゴ礁に生息し、成魚は全長60cmほどであることが多いようですが、記録では90㎝、10kgとするもあります(1)(8)。 水深80~370mほどで見られますが、幼魚は比較的浅い岩礁域に現れることもあります(2)。
小さなハタのカムフラージュ
ホウキハタの幼魚によく似た模様を持つイヤゴハタの幼魚は、白と黒に近い非常に目立つ縞模様があります。
一見すると派手ですが、強く対照的な模様は魚体の輪郭を分断し、岩礁の複雑な明暗の中で頭や胴体の位置を分かりにくくする効果があると考えられています。
このような模様は「分断色」と呼ばれ、体の輪郭を不明瞭にすることで、捕食者から身を守るカモフラージュとして働くとされています(3)(4)(5)(6)。
幼魚期から若魚期は白と黒のはっきりとした模様ですが、成長と共にコントラストが薄れ、生息水深も深くなります。
イヤゴハタも希少な高級魚
食・利用
ホウキハタは漁獲量が少なく、一般の鮮魚店では見かけない高級魚です。
身は締まりのある上品な白身で、ほのかな甘味があります。
新鮮なものは刺身や薄造り、炙りに向き、加熱しても身が崩れにくいため、鍋物、煮付け、蒸し物、唐揚げなどにも利用されます。
皮や頭、骨の周囲にはゼラチン質が多く、アラからもうま味のある出汁が取れるため、捨てる部分の少ない魚です。
特に大型の個体は身の量も多く、ハタ類らしい味わいを楽しめます(7)(8)。
毒・危険性
人に対する毒性や危険性はありません。
横縞の模様がある
ダイバーでも威嚇される
参考資料
- 日本産魚類全種リスト(分類情報)
▶ 見る - JAMSTEC BISMaL(分類情報)
▶ 見る - Catalogue of Life(分類情報)
▶ 見る - 学研の図鑑LIVE魚・学研・本村浩之総監修
- 1)Epinephelus morrhua, Comet grouper
(ホウキハタ:最大体長・最大重量などの生物情報)
Rainer Froese and Daniel Pauly(編)
FishBase(2026年閲覧)
DOI: なし
▶ 見る - 2)ホウキハタ
(ホウキハタの生息環境と幼魚)
新潟市水族館 マリンピア日本海
生物図鑑(公開年不明)
DOI: なし
▶ 見る - 3)Disruptive coloration and background pattern matching
(攪乱色彩と背景模様への一致)
Innes C. Cuthill, Martin Stevens, Jenna Sheppard, Tracey Maddocks, C. Alejandro Párraga, Tom S.Troscianko
Nature 434, 72–74(2005年)
DOI: 10.1038/nature03312
▶ 見る - 4)Disruptive colouration in reef fish: does matching the background reduce predation risk?
(サンゴ礁魚類の分断色:背景との一致は捕食リスクを低減するのか?)
Genevieve A. C. Phillips, Martin J. How, Julia E. Lange, N. Justin Marshall, Karen L. Cheney
Journal of Experimental Biology 220, 1962–1974(2017年)
DOI: 10.1242/jeb.151480
▶ 見る - 5)Disruptive coloration and behavior facilitate camouflage of blue-spotted cornetfish against
complex coral reef bottoms
(分断色と行動が、複雑なサンゴ礁底におけるアオヤガラのカモフラージュを促進する)
María Alejandra Castillo, Jose Tavera
Marine Ecology 43, e12731(2022年)
DOI: 10.1111/maec.12731
▶ 見る - 6)Water column use by reef fishes of different color patterns
(体色パターンの異なるサンゴ礁魚類における水柱利用)
Luísa E. F. dos Anjos, Felipe M. Gawryszewski, Eduardo Bessa
Neotropical Ichthyology 20, e210101(2022年)
DOI: 10.1590/1982-0224-2021-0101
▶ 見る - 7)ホウキハタ(釣物)
八面六臂株式会社
八面六臂
DOI:なし
▶ 見る - 7)ホウキハタ
有限会社ケイズ
鮮魚の産直通販 のん気な魚屋(年不明)
DOI:なし
▶ 見る