ヤイトハタ

南海の高級魚

Epinephelus malabaricus

伊豆半島でヤイトハタを目にすることは非常に稀です。 映像の個体は1m近くあろうかという巨体で、ダイバーを恐れることなく悠々と泳いでいました。 後にも先にも、この一回しか出会っていません。

🔬 専門資料・出典引用(13件)

概要

和名:ヤイトハタ

英名:Malabar grouper

学名:Epinephelus malabaricus (Bloch and Schneider, 1801)

提供映像(サンプル映像は低画質版です)

分類・分布

【分類】脊索動物門 > 条鰭綱 > スズキ目 > ハタ科 > アカハタ属 > ヤイトハタ

【分布】南日本、琉球列島、インド洋

特徴・雑学

ヤイトハタは、大きな口とがっしりした体を持つハタの仲間です。 褐色の体には小さな黒褐色の斑点が散らばり、白っぽい斑点も交じります。 体側には斜めに走る暗い帯が見られますが、大型になると帯は目立ちにくくなります。

マルチに生活する巨大ハタ

全長1 mを超える大型魚で、FishBaseには最大で全長234cm、重量150kgという記録が掲載されています(1)。 一方、FAOは大型のハタ類との混同があるため最大サイズは不確かであるとし、少なくとも全長115cm、体重25kgに達すると記しています(2)。 FAOは、他のハタ類と混同する理由を明記しておらず、FishBaseの234 cmの個体が誤同定であるかどうかも、これらの資料からは判断できません。

日本国内には、30kg台のヤイトハタが実際に釣り上げられた記録があります。 釣り具メーカーであるシマノは、沖縄で38kgの個体を釣り上げた釣行を紹介し(3)、琉球新報は大宜味沖で全長128cm・34.5kgの個体が釣れたと報じています(4)。 ヤイトハタが人の背丈に迫るほどの大きな魚になることは、こうした国内の釣果から確かめられます。

生息場所は幅広く、サンゴ礁や岩礁だけでなく、砂泥底、マングローブの周辺、河口の汽水域にも姿を見せます。 幼魚は特に沿岸や河口域で見られます。 岩場に限らず、浅い海と河口がつながる環境も利用する魚です。

魚やエビ・カニなどの甲殻類を主に食べ、ときにはタコなどの頭足類も捕らえます。 さまざまな環境で暮らしながら、そこで見つかる動物を食べる肉食魚です。

高級ハタであるホウキハタ 複雑な帯模様が印象的なホウキハタ

デザインされたような美しい模様をしている

養殖の安定を目指す高級ハタ

沖縄県では、1992年にヤイトハタの種苗生産研究を始め、1996年に種苗生産に成功しました(5)。 翌1997年には20万尾を超える種苗の量産にも成功し、現在は海面のいけすや陸上の水槽で養殖されています。 一方、育て始めてから出荷するまでには約2年かかります。 その間に病気や寄生虫などで魚が死ぬと、予定していた数を出荷できず、経営にも影響します。 沖縄県は、飼育条件と魚の健康状態を調べ、生き残る割合を高めるための研究を続けています(6)。 養殖技術は確立されてきましたが、安定して育て、届けることが今も重要な課題です。

食・利用

ヤイトハタは、沖縄で「アーラミーバイ」と呼ばれる大型のハタです。 身は上品な味わいの白身で、沖縄県漁連は刺身、煮付け、魚汁、鍋物を食べ方として紹介しています(7)。 刺身で身の味を楽しむだけでなく、汁物や煮付けにも使える魚です。 食用魚としての価値は高く、高級魚として扱われます(8)。

毒・危険性

人に対する毒性や危険性はありません。

縞模様が美しいイヤゴハタの若魚 イヤゴハタの若魚の水中映像

縞模様は体の輪郭をぼかす効果があるという

伊豆半島では一般的なオオモンハタ オオモンハタの水中映像

体色の変化が激しい

参考資料

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