ウスバハギ

Unicorn Leatherjacket / Unicorn Filefish

Aluterus monoceros (Linnaeus, 1758)

🔬 専門資料・出典引用(15件)

概要

和名:ウスバハギ

英名:Unicorn Leatherjacket / Unicorn Filefish

学名:Aluterus monoceros (Linnaeus, 1758)

12月の静岡県沼津市で撮影したウスバハギの成魚です。海底の水深は約10mでしたが、4〜5mほどの中層を単独で泳ぐ姿を水中撮影しました。
釣りでは外道とされることもありますが、伊豆・伊東地域では当たり前のように鮮魚店に並び、土地に根付いた食用魚であることが感じられます。 刺身を肝醤油で食べると非常に美味しく、個体が大きいので食べ応えも十分。さばき方も簡単で、家庭料理としても満足感の高い魚です。
インドやマレーシア、オーストラリアなどでは、スパイスやレモンなどを使ったレシピもあり、和食以外にも色々と試してみたい魚です。

提供映像(サンプル映像は低画質版です)

分類・分布

【分類】脊椎動物亜門 > 条鰭綱 > フグ目 > カワハギ科 > ウスバハギ属 > ウスバハギ

【分布】本州中部以南、世界各地の温帯、熱帯域。

特徴・雑学

ウスバハギは、外洋性のカワハギの仲間です。 大きく群れることは無く、沿岸から沖合にかけて、単独または小さな群れでゆったりと遊泳します。
食性は幅広く、底生の無脊椎動物やクラゲ、動物プランクトン、小型の魚類などを捕食します。

中層を泳ぐことが多いためか、ダイビング中に見ることはほとんどありません。 名前の通り極端に扁平した体をしており、ひと目で「ウスバハギだ」とわかる特徴的なシルエットです。

【幼魚はみんなと同じ姿】
ウマヅラハギとよく似ていますが、背鰭の一番前方にある第1棘が非常に長く、基部は眼球の中央部付近に位置します。 また、他のカワハギ科の尾鰭がウチワのような円形型をしているのに対し、ウスバハギの尾鰭はまっすぐな台形型をし、上端と下端はやや伸びており、 似たようなカワハギ科の中では見分けがつきやすい魚です。
ただし、幼魚・若魚のうちはこの特徴が顕著ではなく、海中でウスバハギと判断するのは容易ではありません(1.2)。

ソウシハギと共に泳ぐウスバハギの若魚 ウスバハギ若魚の水中映像

ソウシハギの模様が体に現れる

食・利用

【地域差のある食材】
カワハギと同様に肝が大きく、濃厚な味わいを持つことから「肝が絶品」として知られています。 歯ごたえの良い身とともに肝醤油で味わう食べ方は特に美味しく、強い旨味を楽しめます。
また、天ぷらやフライ、鍋などにも利用され、加熱すると身がやわらかく仕上がります。 アラからもだしが出るため、汁物にも向いています(4.5)。
地方によって呼び名や扱いには差があり、積極的に食用とされる地域もあれば、あまり流通しない地域もあります。 伊豆では身近な魚として鮮魚店に並びますが、地域ごとに評価が大きく分かれる魚といえます。

【海外でも好まれる"食材"ウスバハギ】
海外では、日本のように魚種ごとの違いにこだわる文化は比較的弱く、ウスバハギに種を限定せずカワハギ科の白身魚とされて料理に用いられています。
皮が剥がれやすく調理しやすいことや、スパイスが染み込みやすいこと、細かい骨が少なく食べやすいことなどからカワハギの仲間は好まれ、 マレーシアやインド、オーストラリアなどで、手軽で美味しい魚料理の食材として利用されています(6.7.8)。

毒・危険性

温暖な海域に生息する大型個体では、シガテラ毒を蓄積している可能性があります(9)。
また、ウスバハギの歯は、波型の爪切のような形をしています(10)。 貝類を砕いて食べる強力な顎の力があり、釣り上げた直後などは、口の中に指を入れる行為は危険です。

ビゼンクラゲを食べるカワハギ ビゼンクラゲを食べるカワハギの水中映像

ビゼンクラゲは「珍味クラゲ」の原料

伊豆半島での観察は珍しいナミダクロハギ ナミダクロハギ水中映像

鮮やかな色合いが目を引く

参考資料

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