ウオビル

待ち続ける吸血生物

Piscicolidae

ウオビルは、魚類に寄生して吸血するヒルの一種です。通常は海底に生息し、繁殖や栄養補給のために"一時的に"魚に吸着します。

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概要

和名:ウオビル科

英名:Marine fish leech

学名:Piscicolidae Johnston, 1865

提供映像(サンプル映像は低画質版です)

分類・分布

【分類】環形動物門 > 環帯綱 > 吻蛭目 > ウオビル科 > 不明 > 不明

【分布】*****

特徴・雑学

ウオビルも必死! 魚が来るのを待ち続ける

ウオビルは海底で生活していますが、魚が近くを通ると寄生の機会を逃しません。 宿主となる魚を、水流の変化や振動・体温・粘液や血液成分などの化学物質などを手がかりに感知していると考えられています。 ヒル類は感覚器が発達しており、周囲のわずかな刺激から生物の存在を察知できます。
ウオビルがエイの体に多く見られるのは、エイが海底近くで生活し、ゆっくり移動する上に、砂に埋まるような行動をするからであると考えられます。

「痛くないですよ~」相手思いの吸血ヒル

魚に接触すると、ウオビルは体の前端にある吸盤(前吸盤)を使って素早く付着します。
ヒルの体は柔軟で粘着力が強く、水流のある環境でも簡単には剥がれません。体表を這うように移動しながら、皮膚の薄い部分や血管に近い場所を探します。
吸血の際には、小さな口器で皮膚を傷つけ、唾液中に含まれる抗凝固物質(血液が固まらない成分)や麻酔様物質を分泌します。 これにより宿主は痛みを感じにくく、血液は流れ続ける状態になります。
血液は筋肉のポンプ作用によって体内に取り込まれ、ウオビルの体は吸血とともに大きく膨らみます。

満足したら帰ります 産卵準備は砂の中

十分に栄養を得ると、ウオビルは宿主から離れて海底へ戻ります。
ヒル類は一度の吸血で長期間生きることができるため、頻繁に寄生を繰り返すわけではありません。 海底に戻った後は、消化と産卵の準備を行い、再び宿主に出会う機会を待つ生活に戻ります。

たくさんのウオビルが付いた魚を見ると痛々しく思えますが、ウオビル1匹の吸血量は少なく、吸い続けるわけではないため、大型のエイなどでは数が多くても大きなダメージにはならないとされています。 ただし、個体の大きさや体力によっては、貧血が起こったり感染症のリスクが高まる可能性があります。

食・利用

ウオビルに寄生されていた魚を食べても人への害はありません。

毒・危険性

人に危害のある刺胞や毒の報告はありません。
仮に人に付着した場合でも、軽い出血やかゆみ、小さな傷程度で、危険性は低いとされています。 ただし、感染症のリスクはゼロではありません。

サメの皮膚に寄生する「サメジラミ」 わざわざ硬い皮膚を持つサメに寄生するサメジラミ。ウオビルと違い、甲殻類の仲間である。

実は甲殻類の仲間

カニの体に入り込み、神経をも乗っ取る「フクロムシ」 カニの中に入り込み、神経をコントロールして卵の世話をさせたり、雄を探す動きをさせるフクロムシ。映像で見える部分はフクロムシの卵巣で、カニに世話をさせる。

性別さえも変えてしまう

ウニに寄生して食べるうえに、操縦して乗り物にする「ゼブラガニ」 ウニの中に棲むゼブラガニは、通り道になる棘部分を食べる上、ウニを操縦して雌の元に行くという。

ウニごと雌のもとに移動するという驚異の寄生

参考資料

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