潜水中、数ミリほどの青く光る粒が、ふいに目の前に現れることがあります。 剥がれたてのイワシのうろこのようにも見えますが、その正体はサフィリナと呼ばれるカイアシ類のプランクトンです。 宝石のように輝いた直後、見る角度によってほとんど透明になり、突然消えたように見える不思議な生物です。
🔬 専門資料・出典引用(5件)
Sapphirina
潜水中、数ミリほどの青く光る粒が、ふいに目の前に現れることがあります。 剥がれたてのイワシのうろこのようにも見えますが、その正体はサフィリナと呼ばれるカイアシ類のプランクトンです。 宝石のように輝いた直後、見る角度によってほとんど透明になり、突然消えたように見える不思議な生物です。
海中で突然現れ、突然消える
潜水中、数ミリほどの青く光る粒が、ふいに目の前に現れることがあります。 剥がれたてのイワシのうろこのようにも見えますが、その正体はサフィリナと呼ばれるカイアシ類のプランクトンでした。 その体は宝石のように輝きますが、この青は色素によるものではなく、体内の構造が生み出す光で、輝くのをやめることもできるようです。
概要
和名:サフィリナ
英名:Sea sapphire
学名:Sapphirina Thompson J.,1829
提供映像(サンプル映像は低画質版です)
分類・分布
【分類】節足動物門 > 顎脚綱 > ポエキロストム目 > サフィリナ科 > サフィリナ属
特徴・雑学
海の宝石
学名のサフィリナ(Sapphirina)は宝石のサファイア(sapphire)に由来し、その強く青く輝く姿が観察者に宝石を連想させたことによるものです。 海中で出会うその輝きはあまりにも美しく、とても生物であるとは思えないほどで、宝石の名にふさわしい生物です。
構造色の怪しい色合い
サフィリナを含む一部の橈脚類では、雌雄で姿や性質が大きく異なります。 特にサフィリナでは、オスがグアニン結晶による構造色によって強く発色し、青や緑に輝くのに対し、メスはほぼ透明で目立たない体をしています。
オスは宝石のように輝くことで知られますが、この輝きは色素によるものではなく、体内に並ぶグアニン結晶と細胞質の層構造によって生じる「構造色」です。 結晶層と細胞質層が交互に重なることで光が干渉し、青や緑、紫などの色が現れます(1)(2)。
目の前で消える!・サファリナの光学迷彩
色の違いは主に層の間隔によって決まり、さらに光の当たる角度によって見え方が大きく変化します。 そのため、サフィリナは泳ぎながら体の向きを変えることで、強く輝いたり、逆にほとんど透明になって姿を消したように見えます(1)(2)。
さらに、発色は体の向きだけでなく、結晶構造の間隔変化によって、サフィリナ自身で調整されているとみられます(3)。 この発色と不可視の切り替えは、オスが発色によってメスに自身の存在を示す一方で、捕食者から身を隠す役割も担っていると考えられています。
名前の由来は宝石のサファイア
学名のサフィリナ(Sapphirina)は宝石のサファイア(sapphire)に由来し、その強く青く輝く姿が観察者に宝石を連想させたことによるものです。 海中で出会うその輝きはあまりにも美しく、とても生物であるとは思えないほどです。 手の取ろうとするように近づくと、無かったかのように消えてなくなるのも、まるで宝石のようです。
食・利用
人の食への利用はありません。
毒・危険性
人への毒性、危険性はありません。
カイアシ類の仲間
姿は似ていないが、サフィリナと同じ顎脚綱
カイアシ類には様々な形態がある
参考資料
▶ 見る
▶ 見る
(サフィリナ類カイアシ類の鮮やかな色の構造的基盤)
Dvir Gur, Ben Leshem, Maria Pierantoni, Viviana Farstey, Dan Oron, Steve Weiner, Lia Addadi
Journal of the American Chemical Society(2015)
DOI:10.1021/jacs.5b05289
▶ 見る
(海のサファイアの色と不可視性の秘密)
American Chemical Society(報道記事)
Phys.org(2015)
(サフィリナ類カイアシ類の鮮やかな色の構造的基盤 DOI:10.1021/jacs.5b05289の解説記事)
▶ 見る
(キチン性ハニカム構造によって制御されるグアニン結晶:サフィリナの可変構造色の機構)
Tsubasa Kimura, Mihiro Takasaki, Ryosuke Hatai, Yukiko Nagai, Katsuyuki Uematsu, Yuya Oaki, Minoru Osada, Hiroyuki Tsuda, Takaaki Ishigure, Takashi Toyofuku, Shinji Shimode, Hiroaki Imai
Scientific Reports(2020)
DOI:10.1038/s41598-020-59090-4
▶ 見る