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概要
マナマコの繁殖行動のひとつ「放精」の水中映像です。 体を持ち上げて精子を海中へ放出し、周囲の個体も同調して同じ行動をとる様子が観察できます。
分類・分布
棘皮動物門/ナマコ綱/楯手目/シカクナマコ科/マナマコ属/マナマコ
特徴・雑学
【誘発される繁殖行動】
マナマコの繁殖行動は、周囲の個体が同調して一斉に行われることが知られています。
こうした同調的な放精・放卵は、個体の体内で作用する神経ペプチドホルモンであるクビフリンによって引き起こされます。
最初に放出された精子や卵、あるいはそれに伴う化学的刺激をきっかけに、周囲のマナマコでも体内反応が誘発され、結果として多数の個体が同時に配偶子を海中へ放出します。
この仕組みにより、海中に拡散する精子と卵が効率よく出会い、受精成功率が高められていると考えられています。
一斉に繁殖行動を行うといっても、その範囲は地域全体のような広域ではなく、実際には半径30m程度の限られた範囲で起こることが多いようです。
多数の雄が次々と放精していくのに対し、雌の「放卵」が観察される例は非常に少なく、実際の観察では雄20個体に対して雌1個体程度という印象を受けます。
放卵するマナマコの雌
食・利用
【日本を代表する食材】
マナマコは食用として流通する代表的なナマコです。
いわゆる「なまこ酢」として親しまれてきたマナマコは、単なる珍味にとどまらず、日本の食文化の中で独自の発展を遂げてきました。
内臓を塩辛にした「このわた」、卵巣を乾燥加工した「このこ(くちこ)」は、いずれも高級食材として扱われ、とくにこのわた・からすみ・うには「日本三大珍味」として知られています。
また、体全体を乾燥させた干しナマコ(いりこ・海参)は、保存性に優れた加工品として古くから流通し、薬用や滋養食としても重宝されてきました。
ナマコ類は少なくとも中世以前には食用として利用されていた記録があり、江戸時代には加工技術と流通が確立し、現在に続く食文化の基盤が形づくられたと考えられています。
干しナマコは、中国料理において古くから高級食材として扱われてきました。
国際的な需要の高さから、日本近海に生息するマナマコも高値で取引されることがあります。
その一方で、密漁や過酷な潜水漁が問題となる地域もあり、近年では資源管理や養殖による安定供給の重要性が指摘されています。
毒・危険性
【毒と食】
マナマコは、人に対して特に強い毒性を持たないとされているナマコです。
ただし、ナマコ類全体として見ると、外敵への忌避物質としてサポニン系化合物を含む種が知られています。
これらは一般に「ナマコ毒」と呼ばれることがあり、体液が目や傷口に入ると刺激を感じる場合があります。
種によっては、より明確な毒性成分を持つものも存在します。たとえばニセクロナマコでは、ホロツリン(holothurin)類と総称されるサポニン系毒素が含まれることが報告されており、
魚類などに対して強い忌避・毒性作用を示すことが知られています。
また、外敵に対して粘着性のあるキュビエ器官を放出するナマコもいますが、マナマコにはキュビエ器官はありません。
採集や取り扱いの際には、種類を問わず、目をこすらない、作業後に手を洗うなど、基本的な注意を心がけることが推奨されます。
「キュビエ器官」を出すトラフナマコ
サポニンの一種「ホロツリン」を多く含むニセクロナマコ
参考資料
- JAMSTEC BISMaL(分類情報)
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