クロサギ

キラキラ輝くカムフラージュ

Gerres equulus

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概要

和名:クロサギ

英名:Silver biddy

学名:Gerres equulus (Temminck & Schlegel)

クロサギは、沿岸の浅い砂底や砂泥底で見られる魚で、銀色の輝く体が特徴的です。 鳥のクロサギ(黒鷺)と同じ名前なのは、餌を食べる様子が鳥のクロサギのようだからだと言われています。
映像は、伊豆半島の西側、東側の各所で撮影されたものですが、いずれも水深10mより浅い砂地です。

提供映像(サンプル映像はYouTube版です)

分類・分布

【分類】脊椎動物亜門 > 条鰭綱 > スズキ目 > クロサギ科 > クロサギ属 > クロサギ

【分布】南日本

特徴・雑学

クロサギは、汽水域や沿岸の浅い砂底、砂泥底で見られる魚で、群れを作って生活します。 体は扁平しており、銀色の鱗は光を反射しやすく、キラキラと輝く姿はダイバーには印象的な魚です。

輝くカムフラージュ
クロサギ(クロサギ)の銀色に輝く体は、単なる見た目の特徴ではなく、光を利用したカモフラージュとして機能していると考えられます。 体表にはグアニン結晶が層状に並び、その配列がやや不規則であることで、入射した光を特定の方向ではなく広い範囲に均一に散乱します。
これにより、体の色として認識されるのではなく、周囲の明るさや景色をそのまま映し込むような効果が生まれ、輪郭がぼやけて見えにくくなります。 とくに海中のように光が常に揺らぐ環境では、この“キラキラした反射”は背景と一体化しやすく、捕食者からは個体として認識しづらくなります。
ダイバーには印象的に見えるクロサギの輝きですが、色で隠れるのではなく、光を散らすことで存在感そのものを弱めるというカモフラージュなのです(1)。

岩そっくりにカムフラージュする「ヨロイメバル」 ヨロイメバル水中映像

擬態が完璧と思っているのか、動かない

収納されるくちばし
クロサギの口は、普段は体の輪郭に収まっていますが、摂餌時には前方へ大きく突出し、その際には下向きになります(2)。 この構造により、砂泥の表面や内部に口先を差し込みやすくなり、砂中の小型甲殻類やゴカイ類などの底生生物を効率よく採餌するのに適しています。
必要なときだけ吻を伸ばして一口ずつ採るこの動きは、無駄なく餌を拾い集めるための効率的な口の構造です。

地方名
  • あまぎ:高知、須崎
  • あめ(ん)ゆう:鹿児島
  • すみやき:尾鷲
  • たなご:浜名湖、和歌山太地、田辺
  • ばけら:松山
  • まき:田辺、太地、白浜

食・利用

全国的には流通量が少なく知名度も高くありませんが、九州などでは古くから食べられてきた地魚です。 身は淡白でクセがなく、新鮮なものは刺身でも美味しいものの、柔らかく小骨が多いため、一夜干しや煮物、焼き物としての利用が特に向いています(3.4)。
「身は臭くマズい」と思われているのは、汽水域に生息する個体もいることや、鮮度落ちが早いためだったと思われます。 保冷技術が進んだ現在では、定置網などの沖合で漁獲された個体は十分に食用可能です。
ただし、水揚げが少なく安定しないことから広く流通することは少なく、限られた産地周辺で消費される魚です。

毒・危険性

人に対する毒性はありません。

体の光の反射を変えて消えることができる「サフィリナ」 サフィリナ水中映像

可変可能な構造色を持つ

クロサギほど輝かないが、銀色の体のヒラスズキの若魚 若いヒラスズキ水中映像

若魚はごく浅瀬に現れる

参考資料

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