ゴンズイ玉

混ざらない群れ

Plotosus japonicus

フェロモンで群れをつくるゴンズイに他の魚は混ざることはできません。 たとえ仲間でもフェロモンの分泌がなくなれば排除されてしまいます。 背ビレと胸ビレに毒の棘があるので、釣り上げた時などに素手で触れるのは危険です。

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概要

和名:ゴンズイ

英名:Japanese striped eel catfish

学名:Plotosus japonicus Yoshino & Kishimoto 2008

提供映像(サンプル映像はYouTube版です)

分類・分布

【分類】脊索動物門 > 条鰭綱 > ナマズ目 > ゴンズイ科 > ゴンズイ属 > ゴンズイ

【分布】南日本、琉球列島

特徴・雑学

ゴンズイは、細長い体と、口の周囲にある4対のひげを特徴とする海産のナマズの仲間です。 暗褐色の体には頭部から尾部へ延びる淡黄色の縦線があり、第二背鰭・尾鰭・臀鰭が連続しているため、後半部はウナギのような形をしています。 第一背鰭と胸鰭には毒のある鋭い棘があり、刺されると強く痛むため、釣り上げた個体を素手で扱うのは危険です。

本州から琉球列島にかけて分布し、沿岸の岩礁や砂礫底、その周辺の浅い海に生息します。 幼魚は多数が密集した「ゴンズイ玉」と呼ばれる群れをつくり、成長すると小さな群れや単独で行動するようになります。 主に夜間に活動し、海底をひげで探りながら、ゴカイ類などの多毛類、甲殻類、軟体動物、小魚などを食べます。

学名は新しいけど、和名は昔のまま

日本のゴンズイは、かつてインド・西太平洋に広く分布する Plotosus lineatus と同一種と考えられていました。 しかし、詳しい標本調査により、日本で普通に見られるゴンズイと、南方に広く分布する種では、鰭条数、鰓耙数、椎骨数、樹状器官の形などが異なることが判明しました。 このため、日本のゴンズイは2008年に新種 Plotosus japonicus Yoshino & Kishimoto, 2008として記載されました。

学名は新しくなりましたが、日本で昔からゴンズイと呼ばれてきた魚であることに変わりはないため、標準和名「ゴンズイ」はそのまま残されました。 一方、従来のゴンズイであった Plotosus lineatus は、学名はそのままで、「ミナミゴンズイ」という新しい標準和名が付けられています。

徹底して混ざらない魚・ゴンズイ

ゴンズイの幼魚は、多数の個体が密集して泳ぐ「ゴンズイ玉」と呼ばれる群れをつくります。 この密集した群れは、一般的な魚と違い、仲間が体表の粘液から水中へ放出する「集合フェロモン」によっても維持されています(1)。

ゴンズイであれば群れるという訳ではなく、ホスファチジルコリンなどの微妙な組成の違いを嗅ぎ分け(2)、自分の群れと別の群れを区別します。 別種とは混ざって群れないばかりか、同じゴンズイでも混ざらない上に、たとえ仲間であっても、その化学的な信号が失われると群れの一員として認識しません。

実験では、成長したメスの成熟個体では、群れへ戻ろうとする反応が弱まる傾向が確認されています。 これは、近親交配を避けるために、群れから成熟メスを分散させてるためではないかと考えられています(3)。

食・利用

ゴンズイは毒のある魚として敬遠されがちですが、棘を適切に処理すれば食用になります。 身は淡泊な白身でありながら脂とうま味があり、皮にはゼラチン質が多く含まれます。 市場に並ぶことはほとんどありませんが、千葉県の外房など一部の地域では、昔から味噌汁の具として利用されてきました。

毒・危険性

ゴンズイの毒棘は、第一背ビレの前端に1本、左右の胸ビレの前端に各1本の計3本あります。 いずれも硬く鋭い棘で、刺さると傷口から毒が入り、激しい痛みや発赤、腫れ、しびれなどを引き起こします。 死んだ個体や切り落とした鰭の棘でも刺傷の危険があるため、釣り上げたゴンズイを素手でつかんではいけません。

参考資料

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