スジコバンの水中映像。背中の吸盤でサメやエイ、ウミガメなどに付着して移動するコバンザメ科の魚。細長い体と体側の筋模様が特徴的な、やや珍しい種類。
概要
和名:スジコバン
英名:Slender suckerfish
学名:Phtheirichthys lineatus (Menzies, 1791)
- 撮影場所:静岡県伊東市
- 撮影時期:7月
- 主な水深:5~10m
- 映像特徴:フグに張り付くスジコバンの幼魚
提供映像(サンプル映像はYouTube版です)
- コーデック:H264-MPEG4AVC
- 解像度:1920x1080
- フレームレート:59.94
- 長さ:------
- サイズ:------
スジコバンは、背中に発達した吸盤を持ち、サメやエイ、ウミガメなどの大型生物に付着して移動するコバンザメ科の魚で、サメの仲間ではありません。 細長い体型と体側に走る筋模様が特徴で、観察例は比較的少ない種類とされており(1)、図鑑への掲載も少ない種類です。
分類・分布
脊椎動物亜門 > 条鰭綱 > スズキ目 > コバンザメ科 > スジコバン属 > スジコバン
地中海を除く、世界の暖海域。
特徴・雑学
コバンザメ同様、背中の吸盤は背鰭が変化したもので、強い吸着力によって高速で泳ぐ宿主からも剥がれにくい構造になっています。 付着することで移動エネルギーを節約できるだけでなく、宿主の食べ残しにありつけるというメリットがあります。
寄生虫も食べる相利共生?
コバンザメ類と宿主との関係は、一般に片利共生の例として扱われることがあります。 一方、コバンザメ科の胃の内容物に寄生虫が確認された例や、アオザメでは、コバンザメ科の魚が多い方が寄生虫が少ないという調査結果(2)があります。 また、コバンザメ科のヒシコバンでは、宿主の寄生虫を食べるクリーニング行動も観察(3)されており、宿主側にも利益がある可能性があります。 コバンザメ類と宿主との関係が片利共生なのか相利共生なのかは一概には決められず、その関係については現在も研究されています。
毒のある魚を知っている?
スジコバンは、サメなどの大型魚類だけでなく、様々な魚に付くことで知られていますが、映像では、フグに張り付く様子が捉えられています。 幼魚の頃は遊泳力のない魚に付くようにしているのか、フグが捕食者に襲われにくい魚だと知っていて付いているのか。 真相は定かではありません。
食・利用
食用として利用されることはありません。
毒・危険性
人に対して危険性は報告されていません。
サメの仲間ではない
参考資料
- 日本産魚類全種リスト(分類情報)
▶ 見る - JAMSTEC BISMaL(分類情報)
▶ 見る - World Register of Marine Species(分類情報)
▶ 見る - 1)東京都島しょ農林水産総合センター
▶ 見る - 2)Is Host Ectoparasite Load Related to Echeneid Fish Presence?
(宿主の外部寄生虫数はコバンザメ科魚類の存在と関係するか?)
Gonzalo R. Mucientes, Nuno Queiroz, Simon J. Pierce, Ivan Sazima, Juerg M. Brunnschweiler
Research Letters in Ecology, Volume 2008, Article ID 107576(2008)
DOI: 10.1155/2008/107576
▶ 見る - 3)Symbiotic cleaning relationship between a sailfish (Istiophorus platypterus) and remoras (Remora
osteochir)
(バショウカジキとコバンザメ類 Remora osteochir の共生的クリーニング関係)
Toshiaki Mori, Kenichi Fujii, Kaori Fujii, Akira Komoda, Takuzo Abe
Journal of Ethology 43, 63–68(2025)
DOI: 10.1007/s10164-025-00852-w
▶ 見る