概要
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分類・分布
脊椎動物亜門 > 条鰭綱 > スズキ目 > スズメダイ科 > ソラスズメダイ属 > ソラスズメダイ
特徴・雑学
ソラスズメダイは、鮮やかなコバルトブルーの体色が特徴的なスズメダイ科の小型魚で、主に暖かい海域の浅い岩礁域やサンゴ礁域の、水深数メートルから十数メートル程度の明るい環境に生息します。
【青いステルス魚】
ソラスズメダイの体を彩る鮮やかな青は、色素によるものではなく、光の反射によって生まれる「構造色」です。
皮膚の色素胞には、グアニンという物質の微細な薄板が規則正しく幾重にも並ぶ「多層膜干渉」の仕組みが備わっています。
これが鏡のような役割を果たし、特定の波長の光だけを跳ね返すことで、水中では宝石のような青い輝きが立ち現れるのです(1.2)。
人の目にはひときわ鮮やかでカラフルに映りますが、海の生物にとっては必ずしも目立つ色ではありません。
広い水中空間では、この青は背景の海水の色に溶け込みやすく、外敵から身を守る保護色の役割も担っています。
また、この色は固定されたものではなく、警戒したりストレスを受けたりすると、虹色素胞の下層にあるメラニンという黒色の色素が広がり、表面の青い反射を覆い隠します。
すると、鮮やかなブルーは一瞬で深い紺や黒褐色へと沈み、周囲の岩陰に溶け込むような高度なステルス効果を発揮します。
【忙しい繁殖行動】
ソラスズメダイの繁殖期は、初夏から夏にかけてです。この時期になると、オスは岩の下に巣をつくります。
尾鰭を使って水流を起こし、岩の下に入り込めるような穴を掘って、小さな空間を形成します。
巣の空間を綺麗に保つため、海藻の切れ端などが入ると、咥えて巣の外に出す仕草が見られます。
やがて体色はさらに鮮やかさを増し、尾鰭の黄色とのコントラストが際立つ「婚姻色」となり、メスを誘います。
1尾のオスの縄張りには複数のメスが集まるため、1日に1尾以上のメスが次々と巣穴に入り、天井にあたる岩の下面に卵を産みつけます。
産卵後、オスはその場にとどまり、卵に水を送り続けるなどして保護を行います。
水温25度ほどの場合、卵は4〜5日で孵化しますが、その間にも別のメスが産卵を続け、巣の中には複数の卵塊が重なるように残されていきます(3)。
食・利用
特に流通する魚ではありません。
スズメダイを使った郷土料理に、博多の「あぶってかも」がありますが、近縁種であるソラスズメダイも、小ぶりながら負けず劣らずの美味しさを持っているとされます(4)。
毒・危険性
人に対する毒性はありません。
メスの産卵時期により卵の色が違う
これが通常なので助けてはいけない
参考資料
- 日本産魚類全種リスト(分類情報)
▶ 見る - JAMSTEC BISMaL(分類情報)
▶ 見る - Cirrhipathes spiralis(分類情報)
World Register of Marine Species(WoRMS)
▶ 見る - 学研の図鑑LIVE魚・学研・本村浩之総監修
- 原色魚類大図鑑・北隆館・阿部宗明監修
- 1)魚の体色とその仕組み
東邦大学理学部 生物分子科学科
東邦大学バーチャルラボラトリ(年不明)
▶ 見る - 2)「青い魚」のヒミツ・・
átoaスタッフ
株式会社アクアメント(2025)
▶ 見る - 3)ソラスズメダイの繁殖行動
益田一・荒賀忠一
魚類学雑誌 25巻2号(1978)
DOI:10.11369/jji1950.25.2_137
▶ 見る - 4)あぶってかも
うちの郷土料理
農林水産省
▶ 見る