概要
和名:イシガキイシダイ(天然交雑魚)
英名:不明
学名:なし
撮影地:静岡県伊東市
提供映像(サンプル映像は1280x720.30pです)
- コーデック:H264-MPEG4AVC
- 解像度:1920x1080
- フレームレート:59.94fps
- 長さ:3分 25秒
- サイズ:926MB
分類・分布
脊椎動物亜門 > 条鰭綱 > スズキ目 > イシダイ科 > イシダイ属 > 雑種(イシダイ x イシガキダイ)
イシダイとイシガキダイの分布と同様。自然界ではごく稀。
特徴・雑学
【自然交雑種】
イシダイ(縞模様)とイシガキダイ(ヒョウ柄の斑紋)という二種の魚の交雑個体が、イシダイ×イシガキダイ(通称イシガキイシダイ)と呼ばれる魚です。
模様は両方の特徴をあわせ持ち、縞模様のようでありながら部分的にヒョウ柄が混ざった模様をしています。
縞や斑紋がぼんやりしていて、はっきりとどちらかとは判別できないのが特徴です。また、模様は一定しておらず、左右非対称であったりと個体差があります。
体つき、特に口などはイシダイに寄っている個体が多いようですが、どちらが父でどちらが母かは画像や映像からは判定できません。
映像の流れ藻に棲む8センチほどの幼魚の頃、25センチほどの個体共に、イシダイ、イシガキダイの純血個体と共に過ごしており、違和感はありません。
【人工交雑の成功】
1969年に、近畿大学が人工交雑に成功しており、養殖では「キンダイ」と呼ばれることもありますが「キンダイ」は登録商標でもあるため、野生下での交雑個体にはその名は用いられません。
魚類学者の鈴木克美氏による「イシガキイシダイ」という呼び名が一般的です。
【交雑種の繁殖能力】
交雑個体は、異なる系統の染色体が組み合わさることから、生殖の際に行われる減数分裂がうまく進まなくなる場合があるとされています。
その結果、ホルモンバランスの乱れによって精子形成が行われないなどの性腺の成熟不全が起こったり、雌雄比が大きく偏る(多くが雌となる)といった現象が報告されています。
このため、交雑種どうし(第一世代・F1)で繁殖し、さらに第二世代へ命をつなぐことは、一般に高いハードルがあると考えられています。
イシガキイシダイは、第一世代の出現自体が安定していないうえ、交雑個体どうしから生じる第二世代(F2世代)が現在のところ確認されていません。
そのため、集団としての継続性が乏しいことから、独立した種とは扱われていません。
一方、キンチャクダイとキヘリキンチャクダイの交雑に由来すると考えられているアカネキンチャクダイは、野外で安定した形態を維持し、世代を超えて存続していることが示唆されています。
そのため、交雑起源であっても独立した系統として扱われ、現在は一つの種とされています。
交雑に由来すること自体が、必ずしも独立した種になれない理由になるということではなく、その後に独立した系統として存続しているかが重要ということになります。
注)アカネキンチャクダイが交雑に由来するかどうかについては、現在も分類学的な見解が定まっていません。
交雑種由来のアカネキンチャクダイ
交雑種に注意が必要なショウサイフグ
食・利用
食用としての評価や市場への流通はほとんどありません。 養殖されたキンダイについては取り扱われることもありますが、自然界で捕獲された交雑個体は珍しいため、基本的には鑑賞や研究対象とされています。
毒・危険性
イシガキダイは体内にシガテラ毒を蓄積することがあり、大型の個体の食用には注意が必要ですが、イシガキイシダイのシガテラ毒蓄積に関しては 情報量が少なく確認できませんでした。
参考資料
- 国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)BISMaL
▶ 見る - おさかな雑録
No.97 イシガキダイとイシダイの交雑個体 2014年11月10日
三重県 水産研究所 水産利用研究課
▶ 見る - イシダイとイシガキダイの人工交雑種
“Artificial hybrids between Japanese parrot fish and spotted parrot fish”
日本水産学会誌 巻52(1986)
原田 輝雄・熊井 英水・村田 修
▶ 読む - 海水養殖魚の品種改良に関する研究
近大水研報 6号(1998)
村田 修
▶ 読む - 相模湾で採集したイシダイとイシガキダイの天然交雑種について
神水試研報 第3号(1981)
亀井 正法・高間 浩
▶ 読む - 内之浦漁港に水揚げされる魚たち
鹿児島大学総合研究博物館(2018)
小枝圭太・畑 晴陵・山田守彦・本村浩之
▶ 読む