イシガキダイ

変化する石垣模様

Oplegnathus punctatus

概要

和名:イシガキダイ

英名:Spotted knifejaw

学名:Oplegnathus punctatus (Temminck & Schlegel, 1844)

撮影地:静岡県伊東市

提供映像(サンプル映像は1280x720/30pです)

分類・分布

脊椎動物亜門 > 条鰭綱 > スズキ目 > イシダイ科 > イシダイ属 > イシガキダイ

本州中部以南、朝鮮半島、中国

特徴・雑学

イシガキダイは、体の模様が石垣状の斑紋であることから和名がつけられました。
若魚の石垣模様は密で黒っぽく、成長すると斑紋に間隔があくようになり、銀色がかった体色へと変化します。生息場所の環境などの違いで、パターンや濃淡には違いが出るようです(*1)。

【成熟と産卵】 イシガキダイの成熟は比較的遅く、成熟年齢はおよそ5〜6歳と考えられています。
産卵行動の時期には地域差がありますが、鹿児島では水温17〜19℃の4月頃に始まり、6月には水温22〜25℃に達するまで観察されたと報告されています。 また別の研究では、体重2〜4kg(7〜12歳)で、おおよそ全長40cm以上に相当する個体での自然産卵が多数確認されたとされています(*2)。
全長50cmを超えると、オスの石垣模様は薄れ始め、老成魚するとまったく不明瞭になり、口元が白くなるため「クチジロ」と呼ばれます(*1)。

 

【食生活】
流れ藻と共に漂う幼魚の頃は、歯はまだ犬歯状で、動物性のプランクトンを捕食しています(*3)。
体長8cmほどになると海底に降りて生活し始め、次第に歯は癒合して鳥類の様なクチバシ状をしています。 ハタのように大きく口を開けて獲物を飲み込む構造にはなっておらず、強力な顎の力で岩に張り付くフジツボやウニなどを噛み砕いて食べます。
肉食傾向が強いものの、消化器官には藻類も分解できる酵素を持っており、雑食性の魚です(*4)。

 

【秋の大群】
通常は単独、または数尾で行動し、岩穴などに隠れながら生活しますが、秋になると沖合に面した岩礁斜面に沿って泳ぐ群れを見かけます(東伊豆)。 群れになるシーズン当初は10尾ほどの小さな群れですが、段々と数が増し、100尾を超える玉の様な群れになることもあります。

参考動画:秋に群れるイシガキダイ

イシガキダイの大群の水中映像
▶ イシガキダイの群れYouTube版映像を見る ▶ イシガキダイの群れ詳細・サンプル映像を見る

食・利用

イシガキダイは高級魚として流通しています。食味は良く、刺身や焼き物などに利用されます。
暖かい海に棲息する大型個体にはシガテラ毒(Ciguatoxin)が蓄積する場合があり、地域やサイズによっては食用を避けることが勧められています(*5)。

毒・危険性

熱帯・亜熱帯域では、シガテラ毒(Ciguatoxin)を産出する渦鞭毛藻を摂餌することによるシガテラの蓄積、または食物連鎖による蓄積がみられます(*6)。 暖かい海い棲息する大型のイシガキダイにはシガテラ毒が蓄積している場合があり、地域やサイズによっては食用を避けることが勧められています。
シガテラ毒による症状は、徐脈、血圧低下などの循環器系症状。下痢、嘔吐、腹痛、吐き気などの消化器系症状。 手足のしびれ、冷温感覚の逆転、頭痛、めまい、倦怠感などの神経症状があります。
中でも、冷たいものに触れた時に激しい刺激を感じる「ドライアイスセンセーション」と呼ばれる感覚異常が特有です。 発症は数時間から数日後で、数週間から、長い場合は数か月間続く場合もあります。2008年から2024年までの間で、シガテラ毒による日本国内の死亡例はありません。
シガテラ毒(Ciguatoxin)は、加熱や冷凍をしても無毒化されません。

参考資料

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