アカエイ

しなやかな尾に潜む危険な棘

Dasyatis akajei

アカエイの毒棘の水中映像(YouTubeリンク)
▶ 映像をYouTubeで再生
本ページは制作中です

概要

サンプル映像は制作中です

分類・分布

脊椎動物亜門 > 軟骨魚綱 > トビエイ目 > アカエイ科 > アカエイ属 > アカエイ

本州中部以南の南日本、インド洋

特徴・雑学

吻先端はやや尖りますが、腹鰭は小さく、全体的に丸みを帯びたひし形をしています。 尾は鞭のように細く長く、根元には毒棘があります。
裏側は白色ですが、縁はうっすらと赤みを帯びます。 卵胎生で、初夏に数尾の子供を出産します(1)。

【エイの食文化】
エイ類の中では比較的安定して漁獲できる種類であり、他のエイ類に比べると市場価値はあるとされます。 地域により差がありますが、煮物や揚げ物、練り物、エイヒレの原料となります。 東北地方で「カスべ」と呼ばれるエイは、アカエイとは別種です。 エイは、古くから食用とされてきた魚であり、宝永6年(1709年)頃に刊行された『和風本草』には海鷂魚(エイ)として記載されています(2)。

「大和本草 巻13(海鷂魚) 」貝原益軒

[原文]
海鷂魚、其尾ニ毒アリ人ヲサセハ大ニ腫テ死ス 樟脳或捕木奇南香ヲタキテアフスヘシ甚妙ナリ 是所不載醫書漁人不可不知 其形鳥ノ翼ノ如ク腹白シ大小アリ背ハ黒ク海鷂ノ黒皮ノ如シ 長大ナルハ尾長ク大ナルハ方五尺或ハ丈六七尺ニ及フモノアリ 尾ノ形婦人ノ簪ニ似テ末小ニ尖リ両傍ニ脂アリ味好シ

[訳]
エイは尾に毒があり、人を刺すと大きく腫れて死に至ることもあるが、樟脳や香木を焚いて治療すると効果があるとされ、 医書には載らないが漁師が知るべき知識である、その形は鳥の翼のようで腹は白く背は黒く、 大小さまざまで大きなものは幅五尺あるいは一丈六〜七尺にも達し、尾は婦人の簪のように細く尖り、身には脂があって味は良いとされる。

食・利用

古くから食べられてきた種であるとはいえ、現代の食用への利用は限定的で、ほとんど投棄されているのが現状です(3)。 しかしながら、未利用資源の有効活用の一環として、アカエイの利用を促進する試みが各地で行われています(4・5・6・7)。

毒・危険性

アカエイの尾には毒棘があります。
危険を感じると、尾の付け根にある毒棘を立ち上げ、上方からの攻撃に対処します。 一見するとそれほど鋭い棘には見えませんが、非常に頑丈な構造をしており、折れることはほとんどありません。 厚手の長靴の底でさえ貫通してしまうほど強力で、浅瀬を歩く際に毒棘を踏みつけて怪我をする例も多く報告されています。 また、釣り上げた際にも、暴れる個体の毒棘に刺される危険があるため、十分な注意が必要です(8)。

【激しい防御もありえる例】
アカエイの毒棘は「防御」であり、接触する前にアカエイから毒棘を振りかざしてくることは無いと思われていますが、そうとも限らない例があります。
2006年、オーストラリアのグレートバリアリーフの浅瀬で、ドキュメンタリー番組を撮影中のカメラマンがスノーケルで水面を泳ぎながら水中撮影を行っていた際、 偶然エイの上を通過したことにより、防御行動として尾を振り上げられ、胸部を刺されるという事故がありました。 刺傷直後は会話が可能であったものの、その後死亡しています(9)。
この事例から、エイによる刺傷は海底で踏んだ場合に限らず、水中での通過時や接近時にも発生し得ることがわかります。

アカエイとされていたが、近年新種になった「イズヒメエイ」 イズヒメエイ水中映像

海中では下面が見えないとわからない

羽ばたくように泳ぐトビエイ トビエイ水中映像

尾の付け根には毒棘がある

参考資料

← サイトトップへ戻る
お問合せフォーム