概要
撮影地: 静岡県伊東市 沼津市
- コーデック:H264-MPEG4AVC
- 解像度:1920x1080
- フレームレート:59.94
- 長さ:4分54秒
- サイズ:1.35GB
分類・分布
脊椎動物亜門 > 条鰭綱 > カサゴ目 > メバル科 > カサゴ属 > カサゴ
北海道以南、シナ海
特徴・雑学
【模様と名前の由来】
カサゴは単独で縄張りをもち、主に岩陰や隙間に潜んで暮らす魚です。
体色は変化に富み、より深い水深に棲む個体ほど赤みが強くなります。
体の模様については、かつて美しいとは思われていなかったようです。
カサゴの名前の由来は「笠子(かさご)」が通説ですが、肌の腫れ物を意味する「瘡子(かさご)」に由来するという説もあります。
また、三浦半島では「ツラアラワズ(面洗わず)」や「ツユアラワズ(ちっとも洗わない)」などと呼ばれており、模様に対する印象はあまり良くなかったことがうかがえます。
【捕食や特性】
海中では、岩場に溶け込むようにじっと動かず、獲物が近づくのを待ち構えています。
目は頭部の上方にあり、広い視野を確保しています。近づいてきた小魚や甲殻類を、大きな口で一気に吸い込みます。
歯は内側に向いた小さな歯が帯状に並んでおり、喰いちぎるというより、「一度口に入れたら逃げられない」ような構造になっています。
胃の内容物の調査から、主に夜行性で、甲殻類を中心に捕食していると考えられています。
また、胸鰭を器用に使って岩場に踏ん張る姿は、まるでロッククライマーのようです。
【繁殖行動】
胎生の魚で、秋に交尾を行い、翌春に3.5~4.5ミリの仔魚が生まれます。1回の産仔で1万~5万尾を産むとされ、1尾のメスは1シーズンで3~4回産仔します。
交尾は夕方に、メスにオスが体を巻き付けるようにして行われます。産仔(出産)は、夕方から深夜の時間帯に行われます。
水深6メートル未満に棲息する浅瀬のメスは、それよりも深い場所へ移動し、水深6メートルから8メートルに棲息する雌はその場所で産卵します。
これは、潮流のある場所で出産することで、稚魚をより遠くへ拡散しようとする行動だと考えられています。
【カサゴの立ち泳ぎ】
珍しく立ち泳ぎする姿が記録されていますが、縄張り誇示や威嚇、見張り。もしくは病気の可能性も考えられますが、詳細は不明です。
関連動画:カサゴの立ち泳ぎ
地方名:アカズイ、アカゾイ(青森)・アラカブ(九州)・カイルバチメ(石川)・ガシラ(和歌山)
チメ(富山、新潟)・ツユアラワズ、ツラアラワズ(三崎)・ホゴ、フコ(四国)
ボッカア、ボッコオ(鳥取、島根)・アカジン(沖縄)・モアルカブ(壱岐、玄海)
食・利用
カサゴは食用魚として広く知られ、刺身や煮付け、丸ごと唐揚げにして頭からかぶりつくなど、さまざまな料理で楽しまれています。
白身でクセがなく、漁港周辺の定食店や家庭料理でも親しまれている魚です。
獲物を飲み込むための咽頭部の筋肉が発達しており、その部位が特に美味しいとされるため、カサゴの頭を落として調理するのは「もったいない」とも言われます。
また、一般的な釣りの対象魚としても人気があり、初心者にも扱いやすい魚です。
毒・危険性
背鰭・臀鰭・腹鰭の棘には溝があり、そこに毒腺が通っています。刺されると強い痛みを伴います。
毒そのものは生命に関わるほど強力ではありませんが、刺された際には適切な応急処置が必要です。
カサゴ類の毒はタンパク毒であり、40〜50度程度の熱めのお湯(やけどしない温度)に患部を浸すことで痛みが緩和されます。
浸す時間は60〜90分程度が目安で、痛みが和らぐまで続けると効果的です。
この処置により、痛みの軽減とともに血管の収縮を防ぐ効果もあります。
関連動画:ミノカサゴ・美しい毒の鰭
参考資料
- 国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)BISMaL ▶ 見る
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「原色魚類大図鑑」/ 北隆館
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「日本産魚類大図鑑」 東海大学出版 / 益田一、小林安雅 著
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「魚の履歴書」 講談社 / 末広恭雄 著
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「海洋咬刺傷マニュアル」 ピークビジョン / 小浜正博 著
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「卵胎生のカサゴ」
静岡県 水産・海洋技術研究所(2004)
今中園 実
▶ 見る -
「Venom Evolution Widespread in Fishes: A Phylogenetic Road Map for the Bioprospecting of Piscine Venoms」
Journal of Heredity No.97(2006)
William L. Smith and Ward C. Wheeler
▶ 見る -
「Timing and Sites of Parturition of the Viviparous Scorpionfish, Sebastiscus marmoratus」
Environmental Biology of Fishes No.52(1998)
藤田 晋一郎、幸田 正典
▶ 見る