イラが貝を口に入れ、喉で砕いて食べる様子です。 喉には強力な咽頭骨と咽頭歯があり、物凄い力で硬い貝を砕いてすり潰します。 映像では砕く音も録音されています。
概要
和名:イラ
英名:Azurio tuskfish
学名:Choerodon azurio (Jordan & Snyder, 1901)
- 撮影場所:静岡県伊東市
- 撮影時期:通年
- 主な水深:10m前後
- 映像特徴:イラが貝を噛み砕いて食べる
提供映像(サンプル映像はYouTube版です)
- コーデック:H264-MPEG4AVC
- 解像度:1920x1080
- フレームレート:59.94
- 長さ:------
- サイズ:------
分類・分布
【分類】脊椎動物亜門 > 条鰭綱 > スズキ目 > ベラ科 > イラ属 > イラ
【分布】南日本、琉球列島
特徴・雑学
イラ(Choerodon azurio)は、ベラ科に属する大型の魚です。 体は左右に平たく、成長すると体高が高くなり、頭部も厚みを増してがっしりとした体つきになります。 体色は淡い赤褐色から桃色を帯び、体側には斜めに走る暗色の帯が見られるのが特徴です。 特に大型個体では額から吻にかけて丸みを帯び、唇も厚くなるため、一般的な細身のベラとはかなり異なる迫力のある姿になります。 歯は丈夫で、硬い殻を持つ底生動物を食べるのに適しています。
群れない魚の性転換
普段は大きな群れを作って行動する魚ではなく、成魚は単独、あるいは少数で岩礁域やその周辺の海底近くを泳いでいることが多い魚です。 岩礁と砂地が入り交じるような場所を生活場所とし、海底付近を移動しながら、甲殻類、貝類、ウニ類などの底生動物を探して食べます。 大型になると行動範囲の中で同じ場所に繰り返し現れることもありますが、明確な縄張りを維持しているようには見えません。
イラは他のベラ類と同様に、若いうちは雌として成長し、大きくなると一部が雄へ性転換する「雌性先熟型」の魚です。 九州北岸で行われた調査では、体長28cmほどを境に小型の個体は雌、大型の個体は雄となっていました。 雄の精巣を詳しく調べたところ、もともと卵巣であったことを示す特徴が確認され、イラが成長に伴って雌から雄へ性転換することがわかっています。
「喉で砕く」魚の咀嚼
海底にいる貝類や甲殻類、ウニ類などの硬い体を持つ生き物を捕食します。 丈夫な口の歯で獲物をつかんで取り込み、喉の奥にある「咽頭骨(いんとうこつ)」に並んだ咽頭歯で、貝殻や甲殻類の殻などを押しつぶすように砕きます。 映像では、貝類を飲み込んだ後に咽頭骨で砕く「ゴリッ」という鈍い音が録音されています。
海水魚では、コブダイが硬い貝を砕いて食べることで有名です。 淡水魚のコイには歯はありませんが、非常に丈夫な咽頭骨を持っており、様々な動物を砕いて食べることができます。
食・利用
イラは食用になる魚です。 刺身、煮付け、塩焼き、汁物などさまざまな料理に利用され、白身で、特に大型で鮮度のよいものは味がよいと評価されます。 全国的に大量流通する魚ではなく、関東などでは一般の鮮魚店で見かける機会は多くありません。 釣り、刺し網、定置網などで漁獲され、和歌山県、徳島県、大分県など西日本での流通が目立ち、九州などの産地では比較的よく食べられています。 その一方で、知名度の低さや流通量の少なさ、大きな鱗による加工のしにくさなどから、地域によっては十分に利用されず、「未利用魚」として活用する取り組みも行われています。
毒・危険性
人に対する危険性、毒性を示す資料は確認できません。