ヒラタエイ|卵胎生のエイ

Urolophus aurantiacus

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概要

撮影地: 静岡県伊東市 7月

分類・分布

脊椎動物亜門 > 軟骨魚綱 > トビエイ目 > ヒラタエイ科 > ヒラタエイ属 > ヒラタエイ

本州州部以南の南日本、東シナ海

特徴・雑学

体は扁平で尾が短いのが特徴です。尾の後端は尖らず鰭状になっています。
背中は砂地に紛れる褐色で、日中は砂地で伏せて、砂を被るようにして隠れています。口は体の下面にあり、砂の中の貝や甲殻類を捕食します。
尾は短いものの基部には鋭い毒棘があり、磯場での踏みつや釣り上げた際に刺されないように注意が必要です。

ヒラタエイは、卵胎生で繁殖します。受精後は胚が卵黄で成長し、その後、子宮内壁から分泌される「子宮ミルク(ヒストトロフ)」により栄養補給を受けます。 栄養補給と言っても人間の様に母親とはへその緒で繋がっておらず、子宮内に満たされる「子宮ミルク」と呼ばれる栄養液を摂取することで子供は成長します。
妊娠期間はおよそ半年〜1年とされ、一腹の仔数は地域や個体差はあるものの、1〜4尾程度が多いと報告されています。

映像のヒラタエイは腹部が大きく膨らみ、よく見ると波打つように動いています。成長した胎児が動く様子と考えられ、出産が近いものと思われます。

地方名:アカエイ:静岡県西伊豆地域、ズルクタエイ:神奈川県三浦

関連動画:ヒラタエイ


関連動画:オキタナゴの出産(胎生)

食・利用

アカエイ同様に地域によって食文化があり、干物や煮物、竜田揚げや湯引きとして利用される例もありますが、ヒラタエイ自体の流通・食用記録は多くありません。 いわゆる「未利用魚」ですが、コラーゲンが多く含まれるエイ類を活用しようという取り組みは行われています。

毒・危険性

尾の基部にある毒棘は鋸歯状で、刺傷は強い疼痛や感染の原因になります。浅場での踏みつけ事故を避けるため、素足での歩行は避け、 釣獲・観察時は尾部を決して素手で触らないように注意が必要です。

参考資料

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